それでもなんとか、週末になると、社会人のテニスサークルを続けていた僕。
他にやりたいことも見つからないし、あったとしても、女性ゼロでは意味がない。

それで、なんとなく行っていた社会人のテニスサークルだけど、
そこで、すごく雰囲気のいい子を見つけた。
特に美人って程ではないんだけど、
なんとなく育ちがいい感じ。
高いテニスウェアを着ているわけでもないのに、
カラーコーディネートがいいから、すごくセンス良く見える。

その子の雰囲気のいいところは、みんなのプレーに、
「ナイスショーット!!」
「ナイスカバー!!」
「ナイスサーブ!!」
「入ってるよ~!!」
「取れるよ~~!!」
と、声をかけてくれるところ。

社会人になると、なんとなく恥ずかしがって、
大きな声を出すなんてことは、しなくなるものだけど、
その子の声がかかると、周りがパーッと明るくなるのを感じる。

そして、ボールが転がると、サッといち早く動いて、
さりげなく取りに行く。
サーブが失敗したら、すぐに次のボールをタイミングよく出してくれる。

聞いてみたら、社会人になるまで、テニスどころか、
運動系のサークルは何一つ経験がないのだそう。

確かに運動神経はちょっと鈍い(失礼!)けど、
ダラダラしないで動くだけで、こんなに印象が変わるとは思わなかった。

その社会人サークルの何人かは、もうすでに、
彼女に感化されて声を掛け合うようになってきた。
社会人になったからこそ、そういうところは失わずにいたいと思った。

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